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手汗を気にしている人は、「自分は手の汗だけが異常だ!」と思い込んでいる人もいます。
しかし、手汗が異常な量で出るということは、その人は体質的にエクリン腺などの汗腺が多い場合もあります。
また、実は多汗症なのに自分は手汗のみが異常だと思っている人の中には、手の汗が他より目立つので「他の部分より気になるがために」手汗のみに気をとられている、ということもあります。
手汗に悩む人の中に実際には多い「多汗症」について今回は掘り下げていきます(ちなみに手汗に関しても医学的に言えば「手掌多汗症」と言うのですよ)。
目次
汗っかきと多汗症は違うの?
運動後の汗がすごく大量で1人だけ滝のように汗をかいているとか、辛い食べ物を食べた時に1人だけ汗が滴っているとか…。
あなたは「周りと比べるとどうも自分はとっても汗かきな気がする」という感じでしょうか。
それともあなたは、辛い物を食べたとか、気温が暑いという特別な理由があるわけではないのに常に身体のどこかに汗をかいている感じでしょうか。
このサイトでスポットを当てている「手汗」が多い人というのは、冒頭でもお伝えしているように「手掌多汗症」という名前がつく症状なのですが、多汗症というのは手の平だけでなく、足の裏とか頭とか、身体の他の部分にも表れることがあります。
しかし、多汗症であっても本人があまり気にしていない時や、気になるのが「たくさんの汗をかいている場面」となると、それが多汗症であるのかそれともちょっと汗っかきであるだけなのかは区別がつけにくいところです。
では、汗っかきと多汗症の違いと言うのはどこにあるのでしょうか?
多汗症=汗っかきは間違い!
多汗症の人で、「自分は汗っかき」と思っている人や他にも汗についてあまり気にしていない人などは「多汗症?ただの汗っかきでしょう?」と思ってしまう傾向があります。
しかし、多汗症というのはイコール汗っかきではありません。
一般的にいう「汗っかき」さんとは
一般的に「汗っかき」と言うと、上でもお伝えしていますが、何か汗をかくような「条件」がある時に人よりたくさん汗をかいてしまう人のことを指しています。
例えば、通常より気温が高い時、運動をした後(運動中)、辛いもの・熱いものを食べた時などです。
こうした時は、人間は生理的な反応として必ず汗をかきます。
しかし、汗かきの人と言うのは他の人と比べると、こうした時の「汗をかく反応」が強くなっていたりすることが多く、他の人では10レベルのうち3~5レベルの高さと感じる「発汗量」が8~9くらいになってしまい、多量に汗をかいてしまうのです。
これは、肥満で体内の熱がこもりやすくなっていて、他の人にとってはちょっと汗をかけば体温が調節できる程度の体温が、肥満の人ではたくさん汗をかかなければ体温が調節できなくなっていたりするためです。
他にも、運動不足でちょっとした運動が体温を上げやすくなっていたり、香辛料に慣れていなくて少しの辛さに対して過剰に反応したりして汗を大量にかいてしまうのですね。
つまり、何かの条件に反応して生理的に発汗してしまう人というのは多汗症と言うよりは汗っかきになるでしょう。
では多汗症とは何か
ここまでお伝えしてきたように、汗っかきというのは、通常の人が感じる発汗レベルより高く感じてしまうことで、ちょっとの刺激が大量の発汗に繋がる人と言えるかと思います。
一方で多汗症の人と言うのは、特に事情がないのにいつも身体の一部分に汗をかいている人、というのが簡単な説明になるでしょう。
具体的には、「体温を調節するため」ではなく、緊張によって大量に汗をかく場合や、特に緊張していない時にも「よく汗をかく部分」だけはいつもしっとりと汗をかいているような場合です。
手汗(手掌多汗症)の人で言えば、特に緊張している場面でもないのに、手の平がいつもしっとり濡れている、紙を持てば紙がしっとりと湿ってしまう…こういったことが起こります。
他にも、自動車を運転しようとしても手の平が湿ってしまいハンドルが滑るとか、そうした人も汗っかきではなく手汗(手掌多汗症)の人と言って差し支えないでしょう。
多汗症と汗っかきを見分けるチェックリスト
私は多汗症?それとも汗っかき?とやっぱりよくわからないな…という人は、下のチェックリストを使ってみてください。
2ついじょう当てはまるものがある時は、汗っかきと言うよりは多汗症と言えるでしょう。
- 汗をかきやすい部分も睡眠中は汗をかかない
- 両手・両脇など、左右で同じ程度の量の汗をかく
- 汗の症状について自覚したのは25歳より若い頃
- 1週間に1度以上の頻度で異常な量の汗をかく
- 汗が多くて日常生活に支障が出ている
- 血縁者に多汗症の人がいる
いかがでしょうか?これに加えて、多汗症には「重症度」のチェックもあるのでこちらも参考にしてみてください。
あなたの多汗症はどのレベル?(数字が大きいほど重症度が強くなります)
- レベル1)発汗は全く気にならない。汗が原因で日常生活に困ることはほとんどない。
- レベル2)発汗はするけれど、タオルなどで拭えば気になるほどではない。汗のせいで困ることが日常生活にちらほらある。
- レベル3)発汗が我慢できないくらいある。汗が原因で日常生活に支障が出ることが多い。
- レベル4)我慢できない発汗でストレスが増加する。常時、汗が原因で日常生活に支障が出ている。
さて、いかがでしょうか。あなたの発汗は「汗っかき」でしょうか。それとも「多汗症」でしょうか?
多汗症にはどんな種類があるの?
ここまで汗っかきと多汗症の違いについてご紹介してきました。
また、このサイトでは手汗(手掌多汗症)について詳しくご紹介していますが、多汗症には手汗の他にも色々な部位の多汗症があります。
さらに、手汗を手術などで治療した結果として、手には汗が少なくなったものの他の部位が多汗症になったという声も多いのでこの項では多汗症にはどんな種類の多汗症があるのかをご紹介します。
全身性多汗症
全身性多汗症は、名前の通り、全身に多量の汗をかく症状のことです。
原因としては、結核や更年期障害、婦人病やホルモンバランスの乱れが大きいと言われています。
他に急性リウマチなどの疾患が原因になることもあります。
発汗する部位は胸・腹・背・おしり・太ももなど広範囲にわたり、生まれつきの体質で特に原因の特定できない原発性の全身性多汗症と、脳の視床下部にある体温調節中枢の異常によって起こるものなどがあります。
その他、肥満・妊娠・重労働・激しいスポーツなどをしている人にも見られることがあるので、気が付かないうちに比較的多くの人が「一時的」にでもなることがあると言われています。
局所性多汗症
局所性多汗症には、このサイトで取り上げている手掌多汗症など、部位によって病名が変わります。
- 手掌多汗症…手の平に多量の汗をかく症状
- 足蹠(そくせき)多汗症…足の裏から大量の汗をかく症状
- 腋窩(えきか)多汗症…ワキの下に多くの汗をかく症状
- 頭部多汗症…頭から多くの汗をかく症状
- 顔面多汗症…顔面からの汗が大量に出る症状
これらの症状は多汗症になる主な部位です。
さらに、手汗(手掌多汗症)に悩む人の多くに足蹠多汗症に悩むことがあると言われていて、その2つを合わせて手掌足蹠多汗症と言われることもあります。
味覚性多汗症
食事のたびに大変多くの汗をかき、味覚刺激によって発汗する量が異常に多い場合を味覚性多汗症と言います。
辛い物や熱いものを食べるとどんな人でも多少は汗をかきますが、味覚性多汗症の人はそうした刺激によって通常ならざる量の汗をかいてしまいます。
また、アレルギーのように、特定の食べ物に対する刺激で汗をかいてしまったりします。
症状が重い人ではどんな食べ物を食べても常に額や鼻の頭などに異常に汗をかくこともあり、気軽に誰かと食事に行くことも苦痛になることがあります。
多汗症の治療と後遺症の関係
多汗症、特に手掌多汗症の人は、皮膚科や美容皮膚科などで医療的な治療を受けることを考える人も多くいます。
実際に手術などで手からの汗を減少させようと努力する人も少なくありません。
しかし、1つだけ覚えておいてもらいたいのは、手掌多汗症の手術をすると、その後遺症で他の部分、このページで挙げた部分で言うと顔や頭部などが多汗症になったと言う人の割合は一定数で存在します。
手掌多汗症の手術をした人で、後遺症として頭や顔からの汗が多くなった人は、日常生活に支障が…というところまでいく人がたくさんいるわけではありませんが、それでも頭や顔から「気になる程度」に汗が出るようになったという人は結構な割合でいるのです。
これは、手からの汗を抑えるために、手に繋がっている交感神経を断ってしまうことによって、手の平から出るはずだった分の汗を他の部分が担うようになってしまうから起こることで、こうした「後遺症による他の部分からの汗」を完全に止めることは現実的には無理です。
というのも、手から汗を出すように促す交感神経と言うのは、手の平だけに繋がっている神経ではないからですね。
手に行くはずだった「発汗しなさい」という命令は、手にいかなければ他の部分(頭や顔、背中、太ももなど)に行くようになるので、実際には手の発汗が減るだけで、他の部分の発汗は増えることになるわけです。
これでは手の汗を止めるように手術をしても、他の部分の多汗症で悩むことになるのは明白ですよね。
そもそも手掌多汗症というのは、温度や味覚によって発汗しているというよりは、精神的な緊張などが引き金になって発汗していることの方が理由として大きいので、手術をして物理的に発汗を止めることを考えるのも1つの方法ではありますが、それ以上に精神的なアプローチをして発汗を抑制できるようになった方が身体への負担も少なくて済みますよ。
今は手汗専用の制汗剤も販売が始まっているので、そうしたものを利用しながら、精神的に手汗を抑制するように行動をした方が現実的かと思います。
ひとつは持っておいて損はないものになりますので、ぜひ一度手にとってみてくださいね。
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管理人ゆうこ

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