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- あまり人と握手したくない…
- 大事な書類がすぐ濡れる…
- 友達はなんで、手汗が出ないんだろう…
- スマホの画面が操作しにくくてしょうがない…
あなたはこんな経験がありませんか?
不快な手にかく汗。
これじゃ人と握手したり好きな人と手つないだりできない!
手汗の悩みは深刻で辛いですよね。
ちなみに私も手汗が多いので常にべったり…電話の受話器、スマホの画面、PCのマウスやキーボード、ボールペンなどを使用したあとは、他の人に渡したくないくらいベタベタしています。
またメモ用紙に書いた文字が汗でにじんだり、コンビニやスーパーなどで買い物する時もお金のやり取りがどうしても気になります。
仕事やプライベートでも手汗が多いことに気になってしまい、常にストレスが溜まりっぱなしです。
そこでコチラの記事では、そんな手汗でお悩みのあなたにその原因や、私が試した効果的な対策とその成果についてご紹介します。
手汗の原因とは?
手汗に限らず、室温や気温に関係なく汗をかくことを『多汗症』といい、その中でも手に多く汗をかくことを『手掌多汗症』と呼びます。
それでは自分の手汗が病気によるものなのか、実際にチェックしてみましょう!、では手汗の原因は一体何なのでしょう?
原因はいくつかあるので代表的なものを紹介していきます。
精神的要因
手掌多汗症に限らず多汗症というのは、緊張した時や怖い時などの、精神性発汗による汗の異常です。
以前は、緊張しやすい人が人前でスピーチしたり、目上の人と話をするなど、緊張する場のみで症状が出るものだと認識されていました。
ですが実際のところは、多汗症の人というのは自宅でリラックスしている時でも発汗をしてしまいます。
これは体の興奮状態をつかさどる『交感神経』が過剰に反応しているような状態だと言われています。
なので、多汗症の人は起床時から交感神経が活発に働きすぎてしまい、それが原因で汗をかいてしまうのです。
ホルモンバランスの乱れ
『ホルモンバランス』も多汗症に大きく関わっています。
ホルモンの生成というのは脳から指令が出されて作られているのですが、このホルモンの生成を命令している部分と、交感神経をつかさどる部分というのは脳の同じ部分なのです。
なので、ホルモンバランスが乱れてしまうと自律神経も必然的に乱れることになり、その結果、多汗症につながってしまったりします。
肥満の影響
『肥満』も多汗症の原因の1つになってきます。
肥満になると内蔵脂肪や皮下脂肪が増え、体内にこもった熱をうまく外へ逃がすことができなくなってしまうのです。
そうすると、それを補おうと大量の汗を出し気化させることで体を冷やそうと体が反応してしまいます。
病気などの疾患
多汗症は病気の影響によっても起こることがあると言われています。
ただ、手掌多汗症のように部位的なものはほとんどなく、全身多汗症になる場合が多いと言われています。
ですが可能性が低いとは言っても、もしかしたらその背後には別の病気が進行している場合もあるかもしれません。
それだけはしっかりと頭に入れておく必要があるでしょう。
生活習慣の乱れ
一例として『食事』があげられます。
熱いものや辛いものをたくさん食べたりすると『味覚性多汗症』になりますし、コーヒーなどの過剰摂取、タバコの吸い過ぎはカフェインやニコチン等の影響で発汗を引き起こす場合があります。
これらが原因となって、手汗を引き起こしているのです。
また睡眠不足も発汗機能に影響を与えます。
睡眠不足が続くと交感神経が乱れ、その影響で発汗しやすくなってしまうのでしっかりと睡眠を取るように心掛けるようにしましょう。
それぞれタイプ別に紹介していくので参考にしてください。
手汗のみがひどい場合
手掌多汗症
手のひら汗だけ特に多い場合は手掌多汗症という病気の疑いがあります。
特定の部位だけに異常に発汗する病気を『局所性多汗症』と言って、そのうち手のひらだけに症状があらわれるのが手掌多汗症に当たります。
この症状が見られる場合、ある日、急に手汗の量が増えたの訳ではなく、幼い頃から多いという傾向にあるようです。
『手に汗握る』という表現があるように、緊張したりビックリしたときに手が汗ばんでしまうことがあります。
これは誰にでも起こることで、通常であれば気分がリラックスすれば自然に汗は引いていきます。
ですが手掌多汗症の場合、リラックスしている状態であっても手が汗で湿っていて、緊張したりビックリするとさらに手汗がひどくなるのが特徴です。
手掌多汗症の発汗量は人それぞれで、手のひらが湿るくらいの量から、水滴がポタポタと滴り落ちるほど重症のケースもあるのです。
原因は未だに解明されていませんが、何らかの原因で自律神経の1つである交感神経の反応が過剰になりすぎていると考えられています。
全身の汗がひどい場合
手のひらだけではなく、全身の発汗が多い場合は何か病気が原因となっている可能性が考えられます。
このような場合では、ある日から急に汗がひどくなるというのがほとんどです。
では、原因となる病気と発汗の関係について詳しく見ていきましょう。
甲状腺機能亢進症
甲状腺の機能が異常に活発化して、甲状腺ホルモンが大量に分泌される病気です。
その影響で全身の代謝が上がり、通常よりも多く汗をかいたり、動機が激しくなったり、手が震えたり、たくさん食事を摂っても太らなくなったりします。
最近認知されてきたバセドウ病という病もこの病気の一種です。
糖尿病
糖尿病で血糖値が高い状態が続くと末梢神経に起こる『糖尿病神経障害』という合併症を引き起こす可能性があります。
末梢神経というのは呼吸や体温、血圧、内臓の働きを管理している自律神経も含まれるので、発汗量が多くなったり、便秘や下痢、立ちくらみなどの症状が出る場合があります。
褐色細胞腫
褐色細胞腫は自律神経に働く、アドレナリン、ノルアドレナリンが過剰に分泌されて高血圧が起きる病気です。
その他にも汗の量が多くなったり、動悸や頭痛などの症状が現れます。
・自律神経失調症
過剰なストレスや不規則な生活、過労などにより自律神経のバランスが乱れてしまう病気です。
体の各器官に様々な症状が現れますが、ほてりやのぼせなどのホットフラッシュや微熱が続いたりして汗をかきやすくなることがあります。
更年期障害
閉経後の女性が女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することで起こります。
女性ホルモンの分泌はできなくなってしまったのに脳が分泌を促し続けることでホルモンバランスが乱れてしまうのです。
ホルモンバランスが乱れると自律神経のバランスも崩れやすくなるため、体がほてったりのぼせたりしやすくなり、大量の汗が噴き出したりする『ホットフラッシュ』という症状が出やすくなります。
手汗が人より多いと感じる場合、手のみに起こる症状なのか、全身に起こっている症状なのかをまず見定める必要があります。
気になる場合は、専門医に相談しましょう。
多汗症かセルフチェックしてみよう!
- 両手とも同量の汗をかく
- 1週間に1回以上のペースで手に多量の汗をかく
- 家計内に多汗症の人がいる
- 起きている際には手汗をかくが、睡眠中はかかない
- 初めて症状が出たのは20代前半
- 手汗の影響で日常の生活に支障がでる
いかがでしたか?
あなたはいくつの項目に当てはまりましたか?
もし2つ以上当てはまる場合は多汗症の疑いがあります。
なるべく早めに病院で診察してもらうことをオススメします。
手汗の治し方
上記でも説明しましたが、根本的に解決するならまずは医師に詳しく診断してもらうことが1番です。
ですが、すぐにはいけない場合もあるので自宅で簡単にできる治療・改善方法や。本格的な治療方法をを紹介していきます。
◎自宅でできる治療・改善方法
入浴
湯船にしっかりと浸かり、体をリラックスさせることによって交感神経の働きを抑えることができます。
この習慣をしっかりつけることにより、多汗症を抑えることができます。
ポイントとしては、お風呂はシャワーだけで済まさず、お湯を少しぬるめにすることです。
シャワーだけだと体の芯まで温まらず、交感神経の働きを抑えることができないのでしっかりと湯船に浸かりましょう。
お湯は39度くらいの温度で時間をかけて入浴することをオススメします。
逆に温度を上げすぎてしまうと体の芯が温まらず、さらに交感神経を活発にしてしまい、逆効果になってしまうので注意が必要です。
ミョウバン水
このミョウバンには殺菌作用や制汗作用があります。
使い方はミョウバンを水に溶かしたミョウバン水を手のひらに塗るだけです。
ミョウバンは薬局やスーパーでも購入することができるので手軽に自作できるのというのがいいところです。
- ミョウバン水の作り方
ミョウバン50gを水1.5リットルで溶かします。
- ミョウバン水の使い方
ミョウバン水を20~50倍程度の水で薄め、手のひらに塗ります。
※かぶれや痛みの原因にもなる可能性があるので、ミョウバン水は必ず薄めて使用下さい。
ミョウバン水の濃度は手荒れと手汗の抑制効果のバランスを調整する必要があるため、その調整がむずかしいというのが欠点です。
食事療法
体質が原因となっている手汗の場合、食事療法も効果があります。
治療ではないので完全に良くなることはないのですが、手汗の症状を改善するための対処法としては有効です。
香辛料の効いた辛い料理や油っこい食事をなるべく避けるだけで、手汗が少なくなる場合もあるようですし、肥満気味であれば食事の量を減らしたり甘い物を避けるというだけで対策になります。
また、豆腐や納豆などの大豆イソフラボンを含む大豆製品は、汗を抑える働きがあると言われる女性ホルモンに、似たような働きをするので、多めにとってもいいでしょう。
カフェインの摂りすぎ注意
コーヒーなどに含まれるカフェインには交感神経の働きを活発にする効果があります。
なのでカフェインが含まれている製品などの食べ過ぎ・飲み過ぎには注意しましょう。
制汗剤
ドラッグストアやコンビニなど手軽に購入できる制汗剤は便利です。
スプレータイプのものから殺菌効果やさらさらパウダー配合のクリープタイプなど、種類が豊富にあります。
ただ気軽に使用できるという点ではいいですが、効果の持続性や汗の抑制効果はあまり期待できません。
ですが、携帯性に優れているので一時的な使用目的や緊急時の使用目的という点においては活躍できると言えます。
本格的な治療方法
ボトックス注射
これはボツリヌス菌という菌を使用して、汗をだす汗腺の機能を低下させる注射です。
施術時間が10分程度で、汗が気になる部分に注射するだけなのでお手軽ですし、効果も期待できます。
しかし、副作用として手の痺れや違和感を感じるという症例もあるので、まずは片手で試して経過を見るなど、少し慎重になる必要がある手汗対策です。
個人差はありますが、効果は3ヶ月~6ヶ月くらいなので定期的に注射をしないといけないというデメリットがあります。
イオントフォレーシス
弱いな電流を流した水に手のひらを20分ほど浸して、汗腺にダメージを与えて汗を減らす治療法です。
治療費が安く、手を浸すだけという簡単な方法ですが、定期的に行う必要があるのでその度に通院の手間がかかります。
ETS手術
一時的な対策や、長期の治療でも対応できない、手汗が我慢できない場合、最後の手段として検討するのもいいでしょう。
この手術は手のひらに対して内視鏡を用いた手術方法です。
汗を出す汗腺をどうにかするわけではなく、汗を出すための指令を促す交感神経を切ることで機能を失くすという、手汗が出る原因を根本から解消する対策です。
手に汗を出すための神経がなくなるので、効果的に手汗が改善されます。
ですが手汗が改善されても、その他の部位の汗量が多くなる代償発汗という副作用もあり、3~7割の人がそういった症状が出ているので慎重になる必要がある治療方法です。
さて、このように効果の持続性、即効性に様々な違いはありますが、どれも手汗に効くものばかりで、手汗による日常の不安や不満もひと手間かけるだけで改善する対策はこんなにもあります。
他の部分に何も影響なく、手汗を完治させることはできないかもしれませんが、手汗の対策をすることで日々の生活を快適にすることは可能なので、試してみる価値はありそうですよね
緊急事態!急いで手汗を止めたいそんな時
取引先の人と握手をするときや好きな人と手をつなぐとき、手が汗のせいでびっしょり濡れていると恥ずかしかったり、嫌われないかと思って困ってしまうでしょう。
そこで手汗を一時的に止めるための緊急時の対処法をご紹介します。
ツボを刺激して手汗を止めよう!
手のひらというのは、緊張や興奮をした際に交感神経が刺激されることで分泌される『精神性発汗』の汗が出やすい場所です。
今から紹介するツボを刺激して、気持ちを落ち着ければ効果的でしょう。
- 合谷(ごうこく)
手の甲の親指と人差し指の骨が交わるところにある窪みが『合谷』です。
ストレスや不安、緊張、神経過敏などの精神的な症状に効くといわれています。
合谷を押す際は、反対側の手の親指を使い、親指を骨の真下に潜り込ませるように押すと効果的です。
3~5秒押して1秒離すという一連の作業を3~5セットくらい繰り返しましょう。
- 労宮(ろうきゅう)
手のひらの真ん中にあるツボで、握りこぶしをつくったときに中指の指先が触れる場所にあります。
気持ちを落ち着かせる効果があるので、交感神経の緊張を鎮めるのに有効です。
このツボを5秒押して5秒離すという一連の流れを5セットほど繰り返すといいでしょう。
腹式呼吸で手汗を止めよう!
手汗を早く止めようと思えば思うほど焦ってしまったり、緊張で交感神経が刺激され、逆に汗が出やすくなります。
手汗を止めたいなら副交感神経を優位にするために、まずはリラックスしましょう。
ですが、リラックスをしようとしても、変に力が入ってしまう場合があるかもしれません。
そこでオススメなのが『腹式呼吸』です。
息を吐くときは副交感神経が優位な状態になるので、息を吐くことに意識を向けてお腹の底から深く呼吸をすると副交感神経の働きを高めることができます。
- 腹式呼吸のやり方
①背筋をしっかり伸ばして肩の力を抜き、お腹をへこませながらゆっくりと鼻から息を吐き出しましょう。
②吐ききったら力を抜いて鼻から自然に息を吸います。
息は自然に体の中に入ってくるので、無理に吸い込もうとする必要はありません。
①~②の流れをゆっくりと繰り返します。
ポイントは息を吐くことに意識を向けること。
そして、吸うよりも吐く方にゆっくりと時間をかけることが大切です。
制汗剤
制汗剤に含まれる塩化アルミニウムには汗腺を塞いで汗を抑えるといった強い制汗作用があり、皮膚科などで多汗症の治療薬としても使われている成分です。
ただし肌への負担もそれなりに大きいので、皮膚が分厚い手のひらには適していても、デリケートなワキの下などに多用すると、かぶれや肌荒れを招く可能性があります。
制汗剤には、スプレーやクリーム、ローション、パウダーなど種類もたくさんのタイプがあります。
スプレータイプよりも、肌に直接塗るタイプのほうが持続力は強いのでオススメです。
ですが、制汗剤で手がベタベタするようであれば、パウダータイプなどのサラサラした使い心地のものが良いでしょう。
また、手汗用の制汗剤には睡眠時だけ塗るタイプのものもあります。
制汗剤は汗を抑えてくれて手軽に手に入る便利なアイテムですが、『部分的』で『短時間』の使用にすることをオススメします。
なぜかというと、制汗剤が汗を抑えるのは、汗腺を塞いで汗が外に出られないようにしているからです。
広範囲の汗腺をずっと塞いだままにしておくのは正直、体にもよくはありません。
外出先から戻ったらなるべく早く洗い流すなど、必要なときに限り使うようにしましょう。
また睡眠時に塗るタイプのものも、朝になったら必ず洗い流して日中はなるべく使わないようにしましょう。
手汗の原因はあなたのせいではない
もちろん産んでくれた両親のせいでもありませんが…。
ただ手汗に対してあまり気にしすぎない!
これが最も重要です。
もし困ったことがあった場合は、上記で紹介した改善方法や対策方法を使ってみることでその場を乗り切ることができるので安心です。
私もよく制汗スプレーやツボ押しには助けてもらっています(笑)
今回紹介した記事が少しでもあなたの役に立てればと思います。
ですが、なるべく早めに病院で診てもらうという点においては変わらないので、時間をつくってしっかりと診察してもらいましょう。