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あなたは緊張しやすい性格ですか?
人間は誰しも緊張したり、興奮したり、他にも辛い物や熱いものを食べたりすると手に汗をかくことが普通にあります。
ただ、緊張しやすい人や心配性の人、不安を感じやすい人というのは手に汗をかく頻度が高くなるんですよね。
そうした性格に、もともとの「汗のかきやすさ」という体質が加わると、ちょっとしたことでも手に汗をかいてしまうようになるため「私の手汗は異常なの??」とますます不安な気持ちが高まってしまいます。
では、あなたの手汗が「普通にあるよ」という範囲のものなのか、「ちょっと対処した方がイイかも」というレベルなのかを判断するにはどうすれば良いのでしょうか?
今回は手汗のレベルや、手汗だけでない多汗症のレベル、チェックポイントについてご紹介していきますよ!
まずはその汗が「体質的」なものかをチェックしよう!

手汗にしろ、他の部位の汗にしろ、体質的(遺伝的)に汗をかく「汗腺」が多いと言う人はいます。
主に体温調節などの役割を担う「エクリン腺」という汗腺は、足や手に多く分布している汗腺なのですが、これが通常より多めの人は、ちょっとした暑さやちょっとした精神の興奮で、他の人より多めの汗をかくことになります。
そうなると「汗っかき」な体質を恥ずかしく思ったりして、そのうち汗をかくことをコンプレックスに思うようになったりするのです。
こうなってくると、体質的な汗っかきは、精神的な要因も含めて「多汗症」になってしまうことも。
自分が体質的に汗っかきと知っているだけで対処法が見えてきますし、無駄に不安を抱くこともなくなり、多汗症になってしまうことを防げることもあります。
ではあなたの汗は体質的にはどんな汗なのでしょうか?
自分の体質を知るためのチェックリスト(6項目)
- 最初に汗が多いなという症状に気付いたのは25歳より若い頃である
- 左右対称の体の部位(両手・両脇など)に左右で同じ程度の量の汗をかく
- 1週間に1回以上、気になっている部分に多くの汗をかくことがある
- 睡眠中や自分1人でとてもリラックスしている時には、気になる箇所に汗をかくことはほとんどない
- 血縁者(祖父母・両親・兄弟・姉妹など血のつながりのある人)に多汗症の人がいる
- 日常生活において、汗をたくさんかくことが生活の支障になることがある
いかがですか?この6つの項目の中で、2つ以上にあてはまる項目がある場合、あなたの汗は体質的に「多汗症」と言えると思います。
つまり、あなたの手汗や気になる箇所の汗は体質的なものが大きく関わっているということですね。
特に「睡眠中や自分1人でとてもリラックスしている時には、気になる箇所に汗をかくことはほとんどない」について当てはまる人は、体質的な特徴のなかに「交感神経が過敏かもしれない」という推察もできてきます。
手汗などの汗は交感神経が興奮することで「発汗命令」が出るので、交感神経が過敏な人というのは汗をかきやすくなるのです。
この交感神経の過敏さがかなり強まってしまうと、皮膚科や心療内科などで交感神経の興奮を抑える薬を処方してもらえたりします。
こうしたこともあり、自分の汗かき体質が現時点でどのような状態であるのかを知ることはとても大切なのですね。
あなたの汗の「重症度」はどのレベル??
私の手汗は異常だ!!と思い込んでいても、実は気にしているのは自分自身だけで、他の人はそんな風に思っていないということもよくあることです。
「私の汗は異常?みんな嫌だって思っているの?」と悶々と悩むのであれば、ひとまず客観的に自分の手汗の「レベル」を見てみましょう。
そこでやはり「これは何か対策をした方がこれからの人生が楽しそうだぞ!」と思えたら、あなたの手汗レベルにあった対処法を考えてみましょう。
それでは、ここからがあなたの手汗レベルとチェックする項目です。
レベル1:軽度
- 緊張した時などに手汗をかくことはあるが、そうした時以外はほとんど気にならない。
- 手汗をかくことで「日常的に」支障があるという経験はない。
レベル2:軽度と中度の間
- ちょっと緊張したり、不安に思うことがあると手汗をかくが、そうした時以外にはほとんど気にならない。
- 手汗が原因で「日常的に」困ることがたまにあるが、そこまで支障はない。
(例:緊張した時の汗は多いので、緊張しそうな場面ではタオルハンカチがかかせない/緊張する会議では書類が湿るなど)
レベル3:中度
- 緊張した時だけでなく、ちょっとした不安など「ちょっとした」ことで手汗が出て、気になって我慢できない。
- 手汗が原因で日常生活に支障が出ることがよくある(例:車のハンドルが滑る、スマホに水滴がつくなど)。
※レベル3くらいになると、日常生活に支障が出ることが多くなるので、自分自身のライフスタイルにあった対処法を考えたほうがよいでしょう。
簡単な対処法から始めるなら、制汗剤での対処がよいですね。
自分で発汗をコントロールできますし、手軽です。
現在では手汗専用の制汗剤も発売されているので、そうしたものを利用して対処を始めるのは簡単にできますよ。
レベル4:重度
- 緊張や不安にかかわらず、起きている時はほとんど手汗をかいていて、人との接触などに気が引ける。
- 複数の人に手汗のことについて指摘を受けたことがある。 手汗のために日常生活で常に困ることがある(例:仕事や学校などで書類が湿気てどうにもならない。触れるものが濡れるので常に気にしているなど)。
症状が重度になると、自覚症状もしっかりあると思うので「私の手汗は人とは違うようだ…」ということを深く自覚していると思います。
こうした人は医療的な相談をするために皮膚科を1度訪れることをしておいた方が良いでしょう。
手掌多汗症であれば、それはそうした対処法がありますが、もしかすると手汗がひどいだけだと思っていても他の病気(例えば甲状腺異常など)が隠れていることもありますからね。
ただ、手掌多汗症を治すために手術を勧められても、交感神経を断つ手術には相応のリスクが伴います。
手術をすることで手汗が良くなっても、ほかの部位から手から発せられるはずだった汗が出てくる「代償性発汗」があることは、手汗の手術の後、ほとんどの患者さんに認められる現象だということです。
手汗が気になっている時は「手汗だけ」に気が回りがちですが、手術をした結果、他の部位が多汗になってそれが悩みになっては本末転倒ですからね。
重度の手汗の場合は色々な場面での悩みも深いと思いますが、だからこそ、自分のライフスタイルに合った対処法を見つけることが大切です。
こんな対処法を試してみては?
取り敢えず手汗が気になって仕方がないというとき、いきなり皮膚科に押しを運ぶことも気が引けたり、時間的に無理だったりってありますよね。
そんなときはこれからご紹介する対処法を試してみてはいかがでしょうか?
汗に効果的な「ツボ」を覚える
手汗を抑制するのに効果的なツボとして「労宮」と「合谷」というツボがあります。
- 労宮
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緊張時の手汗がスゴイ!という人に効果的なのがこちらの「労宮」というツボです。
手のひらの中心(手を握ったときに中指の先端が当たる部分)にあるツボで、気持ちを落ち着かせる効果があるのです。
深呼吸と一緒に5秒くらい圧しては離し…と繰り返してみると◎。
- 合谷
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人差し指と親指の付け根の部分にある骨の間にあるツボで、詳しく言うと少し人差し指側にあるので、その辺りの「イタ気持ち良い」部分を探してみてください。
ここは万能のツボともいわれるツボで、鎮痛や視力回復、汗の異常にも効果的なのです。
体の代謝異常に効果があるツボなので、体調がすぐれないときにも大変効果的ですよ。
手汗に効果的なツボについては手汗に効果のあるツボのページで詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
例外)皮膚圧反射(半側発汗)を利用する
これはツボではないのですが、汗のコントロール方法として知っておくとよい方法です。
ちょっと暑い日に外で接待…なんてことがある時に使ったりする方法で、顔汗を止める裏ワザとしても結構有名なので知っている人はいるかもしれませんね。
簡単に言うと、体の圧迫されている側の汗が引いて、その分、圧迫されていない側に汗が増えるという方法です。
芸者さんや舞妓さんが夏でも汗をかきにくいのは、帯で上半身をキツク圧迫するから…というのもこの方法です。
(その分、おそらく腰あたりは結構汗をかいていると思いますが、そこはタオルを挟むなどすれば外から見ればわかりませんからね)
即効性をもって手汗を止めたい!という時は、ワキの下などを圧迫すると手のひらの汗を抑えることができるはずです。
(その代わり、胸などの汗はちょっと増えるかもしれませんが)
握手をする予定があるから右手だけ汗を止めたい…という時には右のワキの下を抑える…という具合に応用がききやすいのがこの方法の良い部分ですね。
手汗専用の制汗剤を使う
手汗に悩む人はワキ用の制汗剤で手汗を何とかしようとした人って結構います。
そしてその結果として「制汗剤は効かない」と思っている人も多くいます。
しかし、現在は「手汗専用」の制汗剤が発売されているので、まだ使用したことがない人はそうした商品を試してみるのもよいでしょう。
というのも、実際に「手汗をどうにかしたいな」と思うのは、誰かと手をつなぐとか、仕事や勉強中に書類が湿るのが嫌だなあという時です。
つまり、そうした時に手汗がコントロールできれば、自分1人でいるときには特に手汗は気になっていないということなのですね。
ですから、「あ、ここでは手汗を抑えたい」という時にパッと使える手汗専用の制汗剤があれば、日常生活はそれで問題なく過ごせたりするわけです。
使用方法を正しくすれば、かなりの効果を感じることができる商品もあるので、自分のライフスタイルに合わせて手汗専用の制汗剤でOKという人は、リスクも少ないですし、そうした選択肢はかなり使えると思いますよ。